普通の家庭が
私は、普通の家庭が分からない。
私は、父と話すときにいつも人見知りしていた。
別に、両親が別居をしていたことはない。
生まれたときから3人で暮らしていた。
しかし、私は父と会話を交わした記憶がほとんどない。
父はもともと亭主関白な人だった。
家事は一切しなかった。
外では偽のお調子者、家では無口な亭主関白だったと母から聞いている。
そんな感じで、もちろん子育てにも特に積極的に参加することはなかった。
それと同時に例の病気を発症。
結果、私が言葉を覚えた頃に父はコミュニケーションを取るのが難しくなっていた。
ただ家にいるだけの、邪魔な人。
私としてはそういう認識だった。
その結果、父は私にとって見ず知らずの人と同等の存在になっていた。
ゆえに、人見知りが起こっていたのだ。
ちなみに、今でも父のいる病院に見舞いに行くと、私は見知らぬ人に会っているような気分になる。
そうした環境の中で、私はこれまでも、そしてこれからもねじ曲がっていくのだろう。
しかし、家族の厄介はまだまだこれだけに留まらない…