最悪の中学校で手にしたもの
私は、いわゆる「荒れた」公立中に通っていた。
当然地元の評判は良くなく、ネットで検索すると出てくるのは批判コメント。
それに、10数年前、ある女子生徒が教師を殴って警察沙汰になったというニュース。
一番近くの高校は、ある教師がセクハラ行為を繰り返していたことで全国ニュースに取り上げられた。
そんな、何の良いところもない中学校。
はじまりは、入学式の日。
ヤンキーが私たち新入生の近くをウロウロし、教師はそれを見ているだけ。
式の最中もやる気のなさそうな上級生ばかりが目に入った。
担任の教師は何かとどんくさい人で、後に生徒みんなからイジられ、バカにされるようになる。
ここは、もう何もかもが低俗な集団で…
この瞬間、私はこの中学校が嫌になった。
そして、学校に行きたくないと思った。
しかし、私がいわゆる不登校になることは一度もなかった。
それは、
不登校になるということは、学校の全てに敗北宣言しているようなものだ
と考えたからだ。
ここから3年間、私は精神を病んででも学校に通い続けた。
あんな低俗な集団に負けたくないという一心だった。
…こんなことで負けてたまるものか…
私は孤独に戦い続けた。
しかし、このご時世、こんな無理をするのはオススメできない。
いじめによる不登校の問題が大きくなっている以上、普通の人なら無理をして学校に行く必要はないと思う。
でも、私はこの最悪な中学校生活で、忍耐力をつけることができた。
今通う高校は、精神的にも体力的にも蝕まれる生徒が多いようだが、私は全く平気。
むしろ、中学校よりもずっと楽しく有意義な環境を手に入れたと思っている。
最悪の環境で手にしたのは、強い忍耐力という大きなもの…
なんとも皮肉な話。